河野防衛大臣は5月8日の記者会見で、自衛隊初の宇宙部隊となる宇宙作戦隊が5月18日に発足することを正式に発表しました。
そこで今回は、宇宙作戦隊の任務内容や組織の体制、将来の展望などについて調べてみました。
宇宙作戦隊の組織体制は
宇宙作戦隊は航空自衛隊の所属になり制服は空自と同じものを使用し、東京都の航空自衛隊府中基地にて20人規模で発足する予定となっています。
現在山口県の小野田市に、巨大なアンテナを有するレーダー施設が建設されており、23年度に運用開始予定。
26年度までには、高性能の光学望遠鏡を搭載した人工衛星を打ち上げる予定となっています。
宇宙作戦隊の任務は
宇宙作戦隊は同盟国であるアメリカの宇宙軍やNASA、日本での宇宙開発を担うJAXAなどとの連携を行うことが盛り込まれており、人的交流や共同での訓練を通した、宇宙空間の監視に必要な技術・知識の収集と開発整備が目的とされています。
宇宙作戦隊の主な任務として想定されているのが、宇宙開発での問題となるスペースデブリの監視です。
廃棄された人工衛星やロケットの破片や部品は、宇宙空間を高速で飛び交っており、人工衛星に当たれば大きな損害を与えてしまいます。
現在GPSなど携帯電話やドローンの制御など様々な分野において、宇宙空間での人工衛星の通信網が利用されており、保護・防衛は極めて重要です。
宇宙での軍拡
米国や中国・ロシアなどの大国では、宇宙空間での軍事競争が加熱しており、人工衛星を用いた偵察・ミサイルに対する防衛、通信妨害などの軍事行動がすでに行われています。
さらには人工衛星に対して攻撃を加えるレーザーなどの兵器や、キラー衛星の開発も進んでいると言われており、監視・迎撃の技術の確立は急務です。
設立当初は人工衛星に対する衝突や、不審な衛星に対する監視が主な任務になるようです。
宇宙作戦隊の将来的な展望は
河野太郎防衛相は、宇宙空間での優位性を早期に獲得する必要があるとの考えを示しています。
宇宙作戦隊は将来100人規模に増員予定で、将来的には妨害衛星の打ち上げが検討されているなど、宇宙空間における抑止力の獲得を目指していると言われています。
今回宇宙作戦隊の他にも、陸・海・空の自衛隊から混成でのサイバー防衛の拡充と、無人偵察機グローバルホークの運用を行う部隊の創設が、改正防衛省設置法に盛り込まれました。
技術の発達に伴い、新しく対応して行かなければならない分野は増えていきますので、特に防衛分野は早急に対策をしていかなければならないと思われます。
特に宇宙分野は未知の領域ですので、競争も激しい中ある程度のアドバンテージを確保しなければなりません。
新設された部隊が、日本を防衛に貢献してくれるものと期待しています。
コメント