自粛警察という存在が知られるようになってからしばらくが経ち、緊急事態宣言も解除されました。
そんな中で自粛警察は消えてゆくのでしょうか?それとも一つの様式となって残るのでしょうか?
自粛警察・マスク警察とはなにか、法的な罰則があるかどうかを調べてみました。
自粛警察とはなにか
緊急事態要請とそれに伴う自粛要請の中で、4月頃から自粛警察・自粛ポリスと呼ばれる人々が現れました。
自粛警察とは、営業中の店や県外ナンバーの車輌に対して、過剰な注意をしたり嫌がらせをする人たちのことで、正義感の暴走や行き過ぎと捉えられており、否定的な意見がほとんどです。
その背景には、外出自粛で通常なら発散できる不満や不安が蓄積されてしまうことがあるようです。
自粛警察が生まれる要因は
また日光を浴びることで作られるセロトニンという脳内物質は、分泌量が少ないと利他的な行動が増える一方、理不尽と感じることに対しての許容が低くなると言われており、自粛警察のような行動が起きてしまう大きな原因と言われています。
日本人はもともとセロトニンの分泌量が世界の中でも最小なそうで、自粛警察が生まれやすい土壌なのかもしれません。
また他人に対して正義を行う行為では、依存症の原因となる脳内物質のドーパミンが分泌されるため、行為が止められなくなってエスカレートしていくとも言われてます。
自粛警察のような個人の正義の強制は古くは戦時中に、最近ではネット社会でのバッシングなどとも共通点が多いように思えるところに、問題の根深さをかんじます。
自粛警察次はマスク警察が話題に
そんな中で、今度はマスクをしていない人に対して過剰に反応する人を指す、「マスク警察」という単語も話題となりました。
緊急事態宣言開始後もマスクを付けるのが当たり前となった生活様式の中では、こちらの方が今後問題となってゆくのかもしれません。
自粛警察に法的な罰則や対処法は
自粛警察の行為は法的にはどの様になるのでしょうか。
他県ナンバーの車両に対して傷をつけたり落書きをした行為は器物損壊に当たりますし、お店に張り紙をする行為は強要罪・威力業務妨害に当たる可能性があり、内容によっては侮辱罪や名誉毀損となることもあります。
もちろん民事では受けた損害の賠償を請求されることもあります。
しかしニュースで取り上げられることは多くても逮捕されたとの話はあまり聞きません。
それには、被害届と防犯カメラ映像などの犯人を特定する証拠がないと、警察の捜査が難しいとの事情があり、張り紙などの場合は匿名が殆どで防犯カメラがない場合も多い事や、店側が客商売と言うことで、強硬な対応を取れないケースも有るためのようです。
あおり運転やネットでのバッシングなど、個人の怒りに突き動かされて過度に攻撃的になる行為が最近増えてきたように思えます。
他人への寛容な心が失われたり、自分の感情を抑制しない世界となれば、社会が立ち行かなくなるでしょう。
新しい生活様式と言われる中で、新しいモラルの規範も示されなければならないのかもしれません。
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