数々の魅力的な作品を発表してきた池波正太郎先生が、1990年の5月にに亡くなってから三十年が経とうとしています。
筆者が池波作品にハマるきっかけとなった作品や、美味しそうな江戸グルメ、池波正太郎記念館について書いていきます。
池波正太郎作品が好きになったきっかけ
今なお作品が愛され、記念館も存在する池波作品を振り返ってみると、私が最初に手にとった作品は剣客商売シリーズでした。
剣客商売がTV化されたことがきっかけで、鬼平犯科帳や仕掛け人などの他の人気シリーズのTVも楽しんでいたのですが、この物語が私の好みに合っていたようで、小説の方にも興味を持ちました。
剣戟シーンや悪を討つヒーロー的な所も魅力ですが、このシリーズでは巻を重ねるごとに時の流れでの人間関係の変化も楽しみの一つです。
登場人物の結婚や主人公達を介して新たに繋がる人と人などシリーズ作品には一冊で完結する作品ともまた違った魅力があります。
そして多くの人が注目するのが作中の江戸のグルメです。
池波正太郎作品の中に出て来る江戸のグルメが美味しそうな事
食通としても知られ、料理に関するエッセイ本もだしている池波正太郎先生の小説では、作中に出てくる当時の江戸の食の描写にもグルメとしての定評があります。
私は魚や貝はあまり好まなかったのですが、深川飯や鰻などの作中に出てくるグルメを登場人物が語らいながら食事をしたり、あるいは一人黙考しながら酒を飲むというシーンなど読むと、なぜだか食べてみたいという欲求が湧いてきました。
作品を読むことで満足するだけでなく、外にも広がっていくというのはなかなかない経験でした。
作品の世界に触れて一度は行ってみたい池波正太郎記念館
さて、それでは作品に触れる施設などはあるかと調べてみたところ、池波正太郎先生の記念館は縁の地の東京台東区の中央図書館の一階に設けられたものと、もう一つは小説「真田太平記」の記念館が長野県上田市にありました。
多くの小説の舞台になった浅草にある記念館は、原稿や写真などの展示だけでなく、復元された書斎のコーナーもあるそうで、入場無料ということもあってファンには嬉しいところです。
上田市の記念館では、真田太平記に特化した展示ではなく、池波正太郎先生の他の作品の原稿や直筆の書なども展示されています。
入館料は一般400円(団体割引あり)でシアター、喫茶室などもあり、企画展なども定期的に行われています。
機会があれば一度は訪ねてみたいものですね。
これからも愛されていってほしい池波正太郎作品たち
時代劇がテレビで放送されることが少なくなってしばらく経ちます。
連続ドラマとして放送される事も多かった池波正太郎先生の作品は、特番として放送されることもありますが、地上波では最近は見ることがありません。
しかし衛星放送やNHKなどで、未だ良質の時代劇が作成されているのは、時代劇、時代小説を好む人々が世代に関わらず根強くいるからではないでしょうか。
池波正太郎先生の作品には人情に剣戟、人の心の中の善と悪など数々の魅力的な部分が詰まっています。
地上波の方でも、スペシャルの番組だけでなく毎週を楽しみにする池波作品の連続ドラマも見てみたいものです。
それでは、これからも池波正太郎作品が変わらずに読みつがれることを思いながらこの辺で。
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