ボン・ジョヴィの「ディス・ハウス・イズ・ノット・フォー・セール」感想【前編】

ボン・ジョヴィ(Bon Jovi)

先日、今年5月にリリース予定だったアメリカのモンスター・バンドボン・ジョヴィのニューアルバム「BON JOVI 2020」の発売延期が決まりました。発売が秋になり、それまでに今までのアルバムを振り返り聴くファンも多いでしょう。そこで、過去の中で最も新しい2016年に発売されたアルバム「ディス・ハウス・イズ・ノット・フォー・セール」の デラックス・エディションに収録された曲についての感想を、バンドのヴォーカルであり、メイン(ソング)ライターのジョンの発言と歌詞の読み解きを中心にまとめてみました。(前編と後編に分けてお送りします。)

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1.This House Is Not For Sale(ディス・ハウス・イズ・ノット・フォー・セール) 00:03:36

作品を経るごとにさらに低めの音程の表現に成功したジョンのヴォーカル。それはこのアルバムの一曲目から作品を彩り、オープニングから音符の定律の中にジョンの熟練のハスキーボイスがねじ込まれる形で始まります。PVでは、真っ赤なクラシックカーを運転するグレイ・ヘアのジョンが、歌詞を口ずさみながら登場。メンバーを4本の杭に例えて、リッチーがいなくなりレーベルとひと悶着あった過去を踏まえて「This House Is Not For Sale(この家は売り物じゃない)」と高らかに歌い上げます。「Coming Home(家へ帰るんだ)」という呼びかけはまるでリッチーとファンに呼び掛けているかのようです。

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2.Living With The Ghost(リヴィング・ウィズ・ザ・ゴースト) 00:04:44

ゴーストタウンにも似た、町に響く風の音。風の中、ジョンが歌い始めるとそれをフィル・Xのギターが追いかけます。歌詞にもあるように「幽霊と生きてはいない」。それは「This House Is Not For Sale」とは対照的に、新生BON JOVIとして生きていくことの決意が感じられます。過去の思いとの決別。それは否定的な思いだったのかもしれません。「新しいBON JOVIとして躍動するために、リッチー、お前の力を貸してほしい!」歌詞の間からそんなジョンの叫びが聞こえてくる気がします。「This House Is Not For Sale」で張った根の上に広がっていく力強い枝たち。この二曲は再生と可能性のメッセージを私たちに伝えてくれます。

3.Knockout(ノックアウト) 00:03:30

印象的なコーラスから、ジョンの力強い歌声が響き渡ります。出だしに「Everyday I wake up with my back against the wall Anytime you get up someone wants to see you fall(毎日、目が覚めると窮地に立たされている。立ち上がる度に転ぶのを誰かに期待されている)」というフレーズがあります。BONJOVIが1984年にデビューし、1986年に発表した『Slippery When Wet』という3枚目のアルバムで、Billboard 200で8週連続1位を獲得し、その後リリースする曲すべてが大ヒットするという中で、当時よくジョンが口にしていた言葉です。ジョンは「knockout」するために戦う道を選びました。ジョンの心情はあの頃のまま輝き続け、そしてそれはBON JOVIを見守ってきたファンへの応援歌でもあるのです。

4.Labor Of Love(レイバー・オブ・ラヴ) 00:05:03

「Labor Of Love」は、お金や見返りのためではない愛の労働という意味です。好きでやっている仕事という意味もあります。甘いバラードですが、仕事の一つとして観客とライブを愛するジョンの愛情に満ちた一面を感じることができます。歌詞の序盤はライブが始まって高まっていく熱気、中盤はライブ中の曲と一体化したジョンの気持ち。終盤はクライマックスに達した後の充実感…と場面が繋がっていきます。曲の構成を追うと、ライブを疑似体験できるかもしれません。ジョンのファンの方は、ライブ前に聴くと気持ちが盛り上がっていいですね!

5.Born Again Tomorrow(ボーン・アゲイン・トゥモロウ) 00:03:33

途中に出てくるサビの手前の「be strong(強くなるんだ)」という言葉は、2011年3月22日にジョンが日本へのメッセージとしてYOUTUBEにUPした動画のことを思い出させます。「TOMODACHI。日本の皆さんは僕の友達。皆さんのことはひとときも忘れることなく想っています。」というそのジョンの動画に励まされた人も多くいらっしゃることでしょう。この歌は日本への大いなる励ましであるとも言えます。「振り返る必要はない 明るく見える未来は 両手一杯の星より輝いている」一生懸命人を気遣うジョンの細やかな心配りと、私たちを歌で未来へ導いてくれる彼の手を感じます。どうぞジョンの祈りが空に届き、多くの人の心が救われますように!

6.Roller Coaster(ローラー・コースター) 00:03:40

前述のロックテイストなナンバーたちとは一線を画した、アップテンポのポップ・ロックです。この曲では、ジョンの恋愛についての思いとまるでティーンのような初恋の初々しさが表現されていると思います。「嘘はつけないし、芝居もできない。」「やり直すには遅すぎる これ以上のんびり構えてはいられない。」ジョンの奥様のドラティアさんは、ハイスクール時代、ジョンと出会ったときにはすでに彼氏がいたそうです。歌詞を読み込んでいくと、居ても立っても居られないその頃のジョンの気持ちが蘇ってきます。夫婦生活31年以上、いつまでもドキドキした気持ちを忘れない二人。羨ましい~!(笑)

7.New Year’s Day(ニュー・イヤーズ・デイ) 00:04:27

「New Year’s Day」は、必ずしも元日ではなく新たな始まりの日ことを指している、とジョンは語っています。キャッチ―なギターリフと共に歌い進んでいくジョン。私はジョンの歌うLeonard Cohen(レナード・コーエン)のHallelujah (ハレルヤ)」が大好きで、「New Years Day」にも「俺はハレルヤを歌っている」と出てくるので、その内容に触れてみたいと思います。「But you don’t really care for music, do you?(だけどお前は「音楽」なんてどうでもいいと思ってるんだろ?)」、「And love is not a victory march It’s a cold and it’s a broken Hallelujah(恋なんて華やかで景気のいいものじゃない寂しくて悲しい「ハレルヤ」なんだ)」。恋の熱と悲しみを含んだ「ハレルヤ」。ですが、それは恋愛の一面に過ぎず、しかしそれでも明日はあるとジョンは恋を歌い続けます。私はそんな繊細で優しいジョンが大好きです。

8.The Devil’s In The Templs(ザ・デヴィルズ・イン・ザ・テンプル) 00:03:19

PVが存在しますが、この曲からは、虚栄心に惹かれる心と自らのプライドを売れるか、という世間のマネー重視主義と相反する個人の名誉を懸けた社会的な戦いをテーマにしていると思います。要するに、金のためなら何でもできるということは間違いだ。とジョンは主張しているのだと思います。教会という聖なる所にも悪が入り込んでいる、という私たちも注意しなければならないことをジョンは教えてくれています。物事が上手く進まない時、善と悪について考えた時などに解決の糸口として思い出したい曲です。人生頑張れ!

9.Scars On This Guitar(スカーズ・オン・ディス・ギター) 00:05:05

scars(スカーズ)の意味は、傷跡。ジョンの愛用しているギターといえば、この曲のPVでも使用している黒のアコースティックギター。日本の高峰楽器製作所というギターメーカーのもので、型番はEF341SCだそうです。このギター、正面に「A.P.」と「95」という文字が入っていますが、それは「ロックの殿堂」入りした時のスピーチでジョンがその理由を述べています。ジョンは「俺にギターを教えてくれたAl Parinello(アル・パリネロ)は1995年に亡くなってしまった。それ以来、俺のギターにはA.P.のイニシャルとアルの亡くなった年が刻まれている。」そして、「俺たちの生活必需品で一番貴重なのが時間だ」と今でもアルに教わった毎日のギターの練習時間を作っていることを明かしています。

そして同じくロックの殿堂入りのスピーチで「2015年にはレコード会社とのいざこざに巻き込まれ、俺の創作パートナーであり、ギタリストであり、仲間だった男の予期しない脱退を経験した。」と、リッチーを失ったことがどれだけショックだったかを語っています。「あまりにも多くのものを失ってしまい、俺の声は歌うのをやめた。俺のギターは俺に中指を立てた。」と。この曲の歌詞ではギターに例えて「俺が心の内をぶちまけていた時も一言一言に耳を傾けてくれた」「だから俺は幸運の星に感謝する。このギターに刻まれたひびや傷の一つ一つに」と歌っています。星といえば、他でもないリッチーのシンボルマーク。彼のBON JOVIへの復帰を待つばかりです。

10.God Bless This Mess(ゴッド・ブレス・ディス・メス) 00:03:22

「このバンドは混乱したバンドなんだ。」以前、ジョンは新たなギタリスト、フィルXを迎えてからそう発言していました。しかしそれは、「絶望ではなく、若きギタリストとメンバーの才能と才能のぶつかり合いを歓迎してのことだ。」とも言っています。困難を越えて更に勝利を勝ち取るのがジョンのやり方。全ては勝利への道筋のため、神よ祝福を。同じ音楽という道を選んだからこそ、分かり合える絆は朽ちない。今回「BON JOVI 2020」が発売延期になり、残念な思いでいるファンも多いと思いますが、ジョンなら、ジョンならば最高の作品を届けてくれる-そう考えて一緒に待ちませんか?「God Bless This Mess」!!

前編のまとめ

前編は「This House Is Not For Sale」から「God Bless This Mess」までの感想をまとめてみました。曲中には、長年共に闘って来た仲間が去った悲しみ、それでも逆風の中立たなければならない複雑な心。そんなジョンが制作したこのアルバムには、昔を振り返りながらもライヴ前のように高まっていく熱気が感じられます。個人的には、リッチーのことを思い起こさせる「Scars On This Guitar」が大好きです。それでは、後編もお楽しみ下さい!

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