アルテミス計画の参加国や火星探査のビジョン、トヨタなど日本企業の活動は?

生活情報

NASAは、アメリカが主導する有人月面探査計画「アルテミス計画」の延期を検討していることを明らかにしました。

「アルテミス計画」とは、宇宙飛行士の月面着陸を目的としており、2024年に最初の有人月面探査が行われる予定です。

今回はアルテミス計画に参加する国や韓国の反応、開発中のゲートウェイや将来に見据えている火星探査、JAXAやトヨタをはじめとする日本企業の活動について紹介します。

スポンサーリンク

アルテミス計画を含む協定の内容と参加国

アルテミス協定とは?

アルテミス計画は、宇宙飛行士の月面着陸を目的とした探査計画で、アルテミスの名はギリシャ神話の月の女神に由来しています。

この計画の実現には国際的な協力が必要不可欠として、月面の平和的な探査を約束する原則がアルテミス協定として企図されました。

アルテミス協定における国際協力とは、宇宙に限ったものではなく、国家間の相互理解を含め地球上でも紛争の回避に努めることとしています。

また協定にはアルテミス計画の加速だけでなく、1967年に発効された宇宙条約の強化も内容に含まれています。

アルテミス協定に署名した8カ国

昨年10月にアルテミス協定の署名式が開催され、日本・アメリカ・カナダ・イギリス・イタリア・オーストラリア・ルクセンブルク・アラブ首長国連邦(以下、UAE)の8か国が署名しました。

オンライン形式で開催された署名式に、日本からは萩生田大臣と井上宇宙政策担当大臣が参加しました。

人口960万人のUAEが参加したのは異例のことですが、「100年後の火星移住」という壮大かつ熱意の伝わるビジョンの提示と、石油国ならではの潤沢な資金が今回招致された理由の一つのようです。

スポンサーリンク

韓国が招致されなかった理由と、韓国の反応

韓国がアルテミス計画の署名式に招致されなかった理由

韓国では、短期での利益が見込めない事業に関してほとんど予算を割かないことが多く、力を入れているといえど低予算で進められているために、技術やモラルの面において信用に値しないと言われているのが招致されなかった理由のようです。

また当時の韓国政権の要人が、アメリカを軽視し中国を尊重するような態度をとり続けたため、当時のトランプ政権の怒りを買ったからだという見解もあります。

アルテミス計画に対する韓国の反応

韓国は、事前にアルテミス計画を含めた関連プログラムに参加する旨を伝える書簡をNASAに送っていましたが、返答はありませんでした。

月面探査計画の推進やUAEに人工衛星の技術を伝授していますが、韓国の宇宙開発は先進国に比べて大きくおくれをとっていると国内では危機感が広がっています。

その一方で「宇宙開発などやっている場合か」という声も多く、国民の賛同が得られないのも事実のようです。

宇宙飛行士の活動拠点となるゲートウェイ

ゲートウェイとは、現在開発されているアルテミス計画に関わる宇宙飛行士たちの活動拠点です。

ゲートウェイの開発にはNASAを中心に欧州やカナダ、日本も参画しています。

その大きさはISSの約6分の1ですが、建設途中の段階からアルテミス計画の拠点として使われ、宇宙飛行士が月面に降り立ったり、帰還した際の滞在場所としても利用されます。

完成後には宇宙飛行士の長期滞在や研究の場として本格的に活用されるほか、2030年代に予定されている有人火星探査に向けた予行練習の場にする計画があります。

将来的には月の向こうの火星探査へ

アルテミス計画では将来の有人火星探査も視野に入れられています。

月はそのものが探査対象ですが、活動の拠点となる基地の建設や宇宙飛行士の長期滞在に関するノウハウなど、月面は火星探査に必要なテクノロジーの実験場なのです。

さらに月面は地球上と比べて重力が約6分の1と小さく、宇宙船の打ち上げに必要なエネルギーを節約することができます。

これらの特徴を生かし、宇宙飛行士や探査機をゲートウェイや月面から火星へ輸送する計画も浮上しています。

アルテミス計画には月面に留まらず、火星やその先へつながる可能性が秘められているのです。

アルテミス計画におけるJAXAの活動や技術提供

アルテミス計画に日本が参加することが決まる前から、JAXAはNASAと協力し、このプロジェクトに参加する声明を出していました。

日本の参加が正式に決まったことで、JAXAとNASAは技術や情報の共有など、これまで以上に強い協力関係を結ぶことになります。

JAXAからは月周回有人拠点の構築に関して、日本の新型宇宙ステーション補給機HTV-Xや、H3ロケットを活用した居住機能に関する補給ミッションを含む提案が行われてます。

アルテミス計画の第一段階であり月の無人周回飛行を目的とする「アルテミス1」では、JAXAが提供する2つの小型衛星が打ち上げられる予定となっています。

アルテミス計画の一端を担う日本企業の活動

食糧問題を解決するスペースフードスフィア

アルテミス計画の一端を担う日本の企業や研究者が参加しているプログラムに「スペースフードスフィア」というものがあります。

2040年代には月面に1000人もの人間が滞在すると言われ、その時に出てくる食の課題の解決に取り組むのがこのプログラムの目的です。

栄養満点の肉や魚、酸素を作ることができる藻類を培養する技術を利用し、食を月や火星で完結する完全資源循環型を目標に開発が進んでいます。

将来的には食材の収穫や加工・調理までをも自動で行う植物工場の設立や、普段は食べられない部分を活用し、一切ゴミを出さないシステムの実現を構想しています。

JAXAとトヨタが共同開発する月面探査車

大手企業では自動車メーカーのトヨタがJAXAと協力し、月面探査車「ルナ・クルーザー」を開発しています。

半世紀前のアポロ計画で使用された月面探査車は展開式でしたが、アルテミス計画で使用される予定のルナ・クルーザーは13立方メートル(四畳半ワンルーム程度)の与圧式キャビンです。

水素と酸素を反応させる燃料電池を動力源に採用し、生成された水は冷却のほか飲用にも活用できるとのことです。

さいごに

アルテミス計画によって宇宙飛行士が月面着陸を果たせば、半世紀前のアポロ計画以来の偉業となります。

今回は日本も密接に関わっているため、計画が進めば日本人の宇宙飛行士が月面に到達する日もやってくるかもしれません。

火星探査の構想など、人類の宇宙開発において新たなステップを踏むことになるかもしれないアルテミス計画の今後に期待です。

コメント